信州大学生向けファシリテーション講座
SCOPではかねてより若年のうちにファシリテーション技術を身につける必要性を感じており、信州大学経済学部の沼尾史久教授の協力のもと、経済学部の学生を対象としたファシリテーション講座を開講しました。
講座では、座学や演習を通して「ファシリテーションは何か」を学び、ファシリテーターに必要なスキルの習得を目指しました。
講座の最終回では受講した学生と松本市在住の外国人による「松本の魅力発見ワークショップ」を開催しました。このワークショップでは、各グループに学生がファシリテーターとして入り、講座で学んだ知識、技術を活かしながら、外国人の皆さんが感じる「松本の魅力」を引き出し、まとめていきました。
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講座に対する感想
講座開講にご協力いただいた信州大学経済学部沼尾教授と受講した学生の皆さんに、本講座に対する感想を寄せていただきました。
■信州大学経済学部 沼尾史久教授(研究分野:自治行政)
講座で学生たちが体得した技法のひとつ(KJ法)をさっそくゼミ活動に活用してみました。そこで覚えた印象を二つだけご紹介しましょう。
議論の脈絡をつねに意識し、それを維持しようという態度が見受けられました。むしろ、教員である私が口をはさんで意図せず話が脱線するたびに、学生たちにたしなめられるありさまでした。議論の作法が身についたのでしょう。
かねてより、学生が発言者の体面を過剰におもんばかってか、発言の趣旨がよくわからないにもかかわらず、議論を進めてしまうきらいが気になっていました。それが、そうした場面に遭遇すると、おだやかに問いただし、あるいは、自分なりの表現で確認しようと努力するようになりました。今後、よりいっそう理解力と表現力を磨いていくことでしょう。
■受講した学生の皆さんの感想
[Aさん]
わかりやすいファシリテーション講座により、ファシリテーションやそのテクニックを学ぶことができました。特に習得できたことが2つあります。
@意見を聞くときに、「なんで?」など常にその背景となる事実を聞こうという姿勢が身に付きました。A意見のグループ分けやロジックツリーが癖になり、会議でもテーマの論点が見える化できるようになりました。この経験を活かして、仕事やチームで問題の課題・解決策を出す際に使っていきたいです。
[Bさん]
今回のファシリテーション講座でさまざまな新鮮なことを経験させていただきました。ファシリテーションという議論をうまくまとめ円滑に進める技術は日常生活ではなかなか学べないものだと思いますが、今回の講座でその真髄に少し触れることができたような気がします。
これからの大学生活において、また社会人になってからも多様な意見を持った人たちと議論をする場があると思いますが、この講座で学んだことを生かしていきたいと思います。
[Cさん]
今回、生まれて初めてファシリテーションという議論の方法を学びました。いかに座学で勉強しても、いざファシリテーションの実践となるととても苦労しました。正直まだまだファシリテーターには程遠いです。それでも、人の意見を聞き、それをまとめてアウトプットする大変さと大切さを感じられたことは、これからの力につながると思います。この講座での学習を生かし、ファシリテーションの経験を積み重ねていきたいです。
[Dさん]
ファシリテーション講座は自分の意見の伝え方を改めて考え直すきっかけとなりました。ファシリテーションの目的である参加者全員の合意的解決のためには、自分の考えを参加者に伝え共有することはとても重要です。そのためにファシリテーターが、参加者が発言した意見へ質問を繰り返し、意見の真意を探っていくのですが、そうした取り組みを続けていく中で、いかに自分の意見が漠然としたものだったのか、見切り発車なものだったのかがよくわかりました。今後の課題として自分の意見の伝え方を今一度見直していきたいと思います。
[Eさん]
司会進行にも「型」があるとは驚きでした。私は、ゼミ長という立場上、ゼミの議論で司会進行役を任されることが多いのですが、講座に出るまでは司会進行の技法など全く分からず、どうもまとまりのない議論になったしまうということも度々ありました。ですが、議論を「見える化」する等ファシリテーションの技法を学んだことで、私の司会進行のどこがいけなかったのかが分かり、円滑で有意義な議論を営むキッカケをつかむことができました。講座の後、ゼミで議論の機会があったのですが、早速この技法を使い、私のみならず参加者全員が満足する議論を組み上げられました。今後も場数を踏んで慣れていき、「司会上手」になりたいと思います。
[Fさん]
ゼミの先生からの紹介での参加だったので、「ファシリテーション」がなんなのか全くわからない状態でのスタートでした。ですが、最初から最後まで丁寧な説明でわかりやすく、演習で困っていてもいろいろとサポートしていただいたので、最後には「ファシリテーションが上手にできる」とまでは言えないものの、ファシリテーションがなんなのか説明できるくらいにはなったと思います。6回という短い機会でしたが、ゼミなどでファシリテーション講座で学んだことを生かし、さらに技術を身につけられるようにしたいです。