上高地インバウンド推進体制

■ 業務の概要

・上高地及び、松本市周辺地域を周遊する外国人観光客を増加させるための2年間のプロジェクト。松本市の観光政策や上高地の課題等を踏まえ、当法人が企画設計して市に提案した事業です。

・事業者組合やNPO等の団体、また市内在住の上高地好き外国人等といった関係者を「地域資源(ソーシャル・リソース)」として捉え、これと積極的に連携することで、効率性や持続可能性を確保しました。

・主要なターゲットを英語圏・準英語圏の外国人とし、「受入環境の向上」「コンテンツの制作」「プロモーション」「継続できる仕組み作り」の4点で各種業務を実施しました。

▲ 現地の事業者や外国人と連携して事業を設計・推進

■ 主な実施内容

・マーケティング調査として、外国人によるモニターツアーや外国人観光客アンケートを実施。上高地を訪れている欧米人像として、日本へのリピーター客が多い、高山市や松本市とあわせた訪問が多い、歴史や伝統といった文化的情報に関心がある、等の特徴を把握しました。

・把握した顧客像をターゲットとして、インターネットで発信するコンテンツ制作を実施。英語の観光情報サイトの構築、英語記者チームによる取材や編集会議の実施、Facebookと連携した双方向性ある情報発信等を行いました。

・外国人メディアのパブリシティによるプロモーションを実施。89のメディアにアプローチし、CNN、毎日新聞英語版、台湾テレビ等、7つのメディアによる報道を実現しました。

・事業継続のための収益源について検討するため、関係団体と共に独自のサービスメニューを開発。旅館組合と「優待宿泊プラン」を、ガイド団体と「伝統スタイルガイド」を、旅行代理店と「無料ツアーによる誘客宣伝」をそれぞれ実施しました。

▲ Webコンテンツでは高い更新頻度・読者との交流を実現

■ 実施のポイント

・観光事業者との協力体制の構築、英語記者チームの組織等により、持続可能な体制を作り、2年間のプロジェクト後も継続して事業を運営することが可能となりました。

・当法人の有する外国人ネットワークを活用することで、地域のインバウンド振興施策のモデルとしてのノウハウも構築しました。他地域での展開も積極的に計りながら事業を進めています。

▲ テレビや新聞等の外国人向けメディアによるパブリシティを実現

■ 成果と反響

・東日本大震災の影響で外国人客が激減した時期と重なったものの、外国人から週に1~2件の問い合わせがくる双方向性の実現、半年間で32泊分の宿泊予約の獲得等、ターゲットからの一定の反響を得ることができました。

・インバウンド推進に積極的な現地事業者から高い評価を得、本事業とは別に「上高地ガイドマニュアル英語版」の制作業務や、上高地の英語表記統一ルール作り等の業務委託を受けました。また、2年間のプロジェクトの成果を踏まえ、松本市より継続したインバウンド事業の業務委託を受けました。

▲ 事業継続の収益源を模索するため、新たなガイドツアー等のサービス開発も実施

参考